【オフシーズンインタビュー】近藤 友治
オフシーズンインタビュー 近藤 友治
フットサルデザインがフォーカスしたい人を取り上げる特別インタビュー企画。
今回話を伺ったのはROBOGATO.Jr Futsal Club代表近藤友治さん。東海フットサルリーグ1部所属のROBOGATO Futsal Clubの中心選手として長らく活躍。
近藤友治 ROBOGATO.Jr Futsal Club代表 |
今年の2月にROBOGATO Futsal ClubのTOPチームからの退団を発表。
今回、自ら代表を務めるROBOGATO.Jr Futsal Clubの指導現場に伺い取材、練習終了後にインタビューを実施しました。
※取材はコロナの影響が広がる前の2020年3月に実施。
▶ 近藤友治 × フットボール
―今日はよろしくお願いします。
近藤:(今日のインタビューは)なんで俺だった?
―スクール指導のこともですが、一番聞きたかったのは、退団されたところも含めプレーされてた時間の全部聞きたく。かつ、今後どういうことを色々望まれているのか、目指されているのかみたいなところも。
近藤:あー全部ね。全然いいよ、俺が答えられる範囲で。
―知りたい人いっぱいいると思いますよ、その今後のこととかも。
近藤:わかんないけど。
―いますよ。選手の、もっと言えばコンドウユウジの歴史を知りたいです、それこそフットボールを始めた時から。
近藤:サッカーは、そもそも始めたのはJリーグが始まった年、小学校3年生の時。あのとき全盛期っていうか、一番すごかったから。もちろん幼稚園から球は蹴ってたん。でも小3からクラブチーム入った。
―地元?
近藤:そう、地元の少年団みたいなのに入って活動していて。そのチームで100人くらいいて、Jリーグブームで。そこからもA.B別れて、それこそ5軍くらいまであったから。そこから始めて、一応Aチームのところに入らせてもらって、県選抜がそのときあったから、愛知県選抜とか入って活動はしてたね。で、中学校に上がる時にグランパスの試験受けたけど、落ちちゃって。グランパス三好っていうグランパスの中でも兄弟チームみたいなのがあるんだけど、グランパス三好の方に俺は行ったの、落ちたから。グランパス三好でやってて、ライバルは基本グランパス。対戦相手はね、決勝戦は基本グランパスかグランパス三好かみたいな。っていうのもあったりして、俺らは中1・中2…中3のときはでもグランパスが行けなくてうちが全国大会とかも行ったから。だから、切磋琢磨し合っとった。で、そのときに、全国大会行った時に、メニコンカップっていうのがあって、東西に別れてオールスターで、俺も選ばれたり、ありがたいことに。そう、選ばれたりとかしたりして。
―当時フットサルとかまだなかった?
近藤:ない。
―ミニサッカーですね、多分。
近藤:ミニサッカーだね、フットサルって言葉がなかった。で、高校で、そのままクラブのグランパス上がるか、それとも高校サッカーの選手権行くかで悩んで。選手権が華やかに見えるじゃんやっぱり。
―高校サッカー!って感じですもんね。
近藤:そう。それで東邦高校に誘ってもらって、推薦で行かせてもらって。村松さん(村松 裕樹:湘南ベルマーレフットサルクラブ 第2監督)とか、1個上でいたりとかして。
―へー。
近藤:村松さん3年の時はキャプテンだった。だから2年の時には一緒に選手権出て。だから付き合いは長いよね、村松さん。で、高校いって結局大学は大阪の方にサッカーしに行ったから、そこから村松さんとは全然会えてないけど。でも俺、高校サッカーで結構燃え尽きちゃったんだよね、サッカー自体が。で、大学行って、2年の夏でやめちゃったのかな。
―サッカーを?
近藤:うん。1年間だけやったけど、2年の夏やめて、サッカーやめようと思って。サッカーしかやってなかったから、今までは。だからちょっと遊ぼうかなみたいな、それこそ。いろんなことを体験してみようかなと思って、1年間くらいだからボールも蹴らなかったかな。
―えー。
近藤:バイトリーダーとかやってた。だから1年何もやらなかったね。だけど結局1年たって、俺なにしてんだろうと思って。わざわざ親から仕送りしてもらって、家賃出してもらって、よくないなと思った。そのときに大学サッカー部の先輩が気にかけてくれて。ユウジお前なにやってんの、暇だったらみんなでフットサルしてるからおいでよって言われて。暇だし、時間めちゃくちゃあるし、行ってみようかなみたいな感じで。で、行ったらめちゃくちゃ面白くて、フットサルが。そのときに初めてフットサルっていうのがこんな風な、こんなんなんだ、と。5対5でボールめちゃくちゃ触れるし、自由だし。最初はミニサッカーみたいな感じだったけどね、正直。
―それは面白かったのは、フットサルという競技が面白かったのか、久々に蹴ったこと自体が面白かったのか?
近藤:でも、蹴ったことが…結局あの時、蹴った瞬間に思ったのが、やっぱり俺の人生球蹴らないとダメだと思って、ほんとにマジで。そのとき蹴って、面白くてたくさんボールも触れるじゃん、プレースタイル的にボール触りたいタイプだから。これは面白いと思って、その先輩とフットサルチームを作りましょうってその日に言って。で、その先輩と作って、ワンデー荒しみたいなので、大学生活は、大学のフット体育館も使えたから週3、4くらい練習したりとかして。
―大学はどちらの大学?
近藤:阪南大学。サッカーで日本一になるようなチームだから、大学が。毎年Jリーグ排出しててめちゃくちゃ強い。だから体育館とか集まるのもサッカー部のやつらが集まってくるからめちゃくちゃうまいのね、みんな。だから、めちゃくちゃいい練習になって。笑 それこそシュライカー大阪の前身になったマグっていうチームがあったりしたんだけど。
―はい、わかります。
近藤:カスカベウ関西とかあの辺とかもワンデーとかで当たらせてもらって、関西の方で対戦したりとか。色々な交流もあったり。Fリーグの前身の人たち、Fリーグの初年度の人たち、シュライカーとかね。俺が在学中にFリーグができるかできんかってくらいだった気がしたな。だからシュライカーがFに行くとか色々聞いたりとかしとった。だからそこで色々関西の知り合いは増えたね、ミキハウスとか、あの辺のメンバーもそうだけど。
―なるほど。
近藤:でも、ほんとに俺なんも考えてなかったな。今思えばだよ、今思えばだけど、例えばそのまま関西残って、シュライカー大阪の試験受けるとか。やり方いくらでもあったと思うんだけど、そのまま普通に帰ってきちゃったもんね、しかも就活もせず。
―えー、愛知に帰ってきちゃった。
近藤:フットサルだけずっとやってて、何も考えずに帰ってきて。あの時多分、俺ほんとにちゃらんぽらんっていうか、ほんと。変わったよねって言われる笑。なんも、だから就活もしてない、全然普通に帰ってきた。
―帰ってきてから、どうしたんですか?
近藤:1年間くらいでもまたなんもしてなかった。フットサルしかしてなかった。しかもフットサルをしてたって言ってもリーグも入ってなかったから。その辺のチームで呼ばれていくみたいな感じでやってたから、1年間やって、これやばいなと思って。で、働き出したんだ、友達のところで。大工さん1回やってたね。大工と大工の監督さんみたいなやつ3年間くらい。
―へー。
近藤:帰ってきて1年たって仕事始めて、…それでROBOGATOが入ったのか。
▶ ROBOGATOでの11年
ROBOGATOで長らく10番を背負ってきた近藤選手
―何きっかけでROBOGATO入ったんですか?
近藤:俺がこっちで1年間くらい帰ってきたときに入ってたフットサルチームと、たまたまROBOGATOが練習試合したんだよ。入ってたチームは1デイのチームだったけど、結構強かったから。で、そしたら相手に先輩がいて。で、あーみたいな感じになって、練習試合やった時にプレーを気に入ってくれて。
―ちなみに1デイチームはなんて名前のチーム?
近藤:三日坊主ってチーム。
―あー、それが三日坊主。
近藤:誘ってもらって、ROBOGATOに入ったのかな、だから。ROBOGATOが東海2部に上がるタイミングじゃないかな。俺が入ったときは東海2部だったんだよだから。1年目が。
―へー。
近藤:楽しかったんだよその3日坊主が。で、ほんとにたまたま縁がつながって、ROBOGATO誘ってもらって、じゃあやってみようかなみたいな。知り合いもいたからsamuraiにいくか、ROBOGATOに行くかで悩んでて、でもROBOGATOのほうがちょっと近かったっていうのもあったかもしれない。
―ずっとROBOGATOですよね
近藤:ずっとROBOGATOだね。
―ROBOGATO以外ってやったことあるんですか?
近藤:ない。
―Fリーグとか声かからなかったんですか?
近藤:かかったよ。浜松の方から代表の人が来てくれて、来て欲しいって言われたけど、そのときは28の時でスクール立ち上げた年だったんだよ。「あーまぁタイミングじゃないな」と思って。だから色々だからタイミングが合わない、そのFに関しては。行きたいなって思ったけどね。
―やっぱ行きたい気持ちはあったんですか?
近藤:タイミングがちょっとずれてたら多分行ってたと思う…、それこそ多分受けにいってたと思う。関東にも色々つてはあったから、練習来ていいよと言ってもらえただろうし。でもなんかね、俺全部ね、タイミングって結構あると思うんだよ。だからほんとにそこじゃなかったんだろうなって思ってる。そのタイミングじゃなかったっていう風に。後悔してもしょうがないからさ。
―ROBOGATOはそれで何年くらいやられたですか。
近藤:11年か。
―すごい。
近藤:11年やったね。俺が一番長いね、ROBOGATOでは。あの、選手でやった今までの歴代でいくと。それでさ、上の方も人もさ、俺が出てきた時が23とかじゃん。で上の方の人がすげー可愛がってくれて。世間知らずだったからめちゃくちゃ生意気だったの、ほんとに。めちゃくちゃ生意気だったけど、それでもなんかこう、人としてほんと育ててくれて、だからおれはROBOGATO強くしたいなってずっと思ってて。その思いでずっとやってた。で、段々やめてくわけじゃん、みんな。で、いた人を知らなくなっていくわけよ。今の子達なんか多分10年前の選手なんか知らないわけじゃん。でも俺は知ってるわけよ。
―むしろユウジさんが軸みたいなイメージですけど。
近藤:まぁ長くやってたのもあるけどね。そういう思いは勝手に背負っているんだけどね。その人たちの分まで頑張ろうみたいな。そしたらいつのまにかさ、自分の年齢が上がってきてさ、教えてた。今までは好き勝手やってたのにさ。
―なるほど。一番チームとして成績を残せたのは?
近藤:全日本出た時か。Fリーグと対戦したもんね。
―そうでしたね。
近藤:前だと、花巻(ステラミーゴいわて花巻:2011-2012シーズンFリーグを退会)ってあったじゃん、花巻のラストシーズンうちとやっとるもんね。ベルマーレとも戦った。でもベルマーレはやられたね、むこうがくっそうまかった笑。マジうまかった、面白かったけどね。ただ花巻にはうちが勝ってて、最後むこうのパワープレーで…最終的に引き分けだったようながしたな。でも、成績としては今年が一番いいよね、チイチャン(SuperSports XEBIO 第20回F地域チャンピオンズリーグ)3位。俺怪我して出てないけど。11年あって、8回全国行ったのかな。毎年全日本かチイチャンは全国行ってたから、入った時から。
―すごいですね。
近藤:結構回数は行ったと思う。
―ロボガトは何が楽しかったんですかね?他のチームとか行ったことないかもしれないですけど、ロボガトのここが良かったなとかってあります?
近藤:うーん、人だね。人が良かったね。
―やっぱり。
近藤:まぁ、ロボガト代表やってた坂元さんとかとかすごい可愛がってくれたし、スクールたちあげるきっかけになったのもだし。作れば?みたいな感じになって。で、今のルミナス(豊田フットサルクラブ ルミナス:ロボガトジュニアの活動施設)も繋げてくれて。で、俺3年で仕事辞めたんだよ、大工と監督のやつ、別に俺のやりたいことじゃないなって思って。だったらもうやめようと思って…これで人生が終わっていくの嫌だなって。で、仕事辞めて、グランパスのアシスタントスタッフコーチを1年間、立ち上げるまで勉強しようと思って。坂元さんいなかったらできなかったし、ロボガトなかったらスクールなかったし。
―たしかに。
近藤:うん。そりゃ愛着わいてくよね。で、チーム名を、立ち上げる時に正直ロボガトじゃなくても良かったんだよ。
―スクールのチーム名が?
近藤:そう。でも俺の勝手の考えだけどロボガトはいつかなくなると思ったから。後ろ盾がないチームじゃん?スポンサーがないし、ただの集まりだから。いつかはなくなっていった時に、このチーム名がなくなったら嫌だなって。なくなった時に俺が引き継いでいればいいやと。例えばトップのリーグのチームがなくなったとしても、それこそ今みたいにアンダー18作っていけば、いつかはまた復活する可能性があるわけじゃん、オープンから参入しても。そしたらロボガト復活したんだ。名前残ってるんだってなるわけじゃん。で、ロボガトってチームにしたの。だから俺は恩もある、育ててもらったと思ってるから、フットサルとロボガトに。
―ふーん。
近藤:人として本当にダメだったので、マジで。
―いやいやいや。
近藤:本当にダメだったんだよ、本当に中西君、ほんとダメだったんだよ俺。
―(笑)
近藤:自分で思うもん。中西君がプレー見たの最近でしょ笑。
―じゃあもう、フットサルで今の人生がすごく影響した?
近藤:変わったね。あと子供だね
―なるほど、子供と接して。
近藤:だって子供に切り替え!って言ってるのに自分が切り替え遅かったらいやじゃん。トップの試合で。
―説得力ないですね。
近藤:審判に文句言うなとかさ、俺前めちゃくちゃ文句言ってたからさ。(説得力)ゼロじゃん。だからそういうのは、ある意味変えさせてもらったよね、子供から。でもトゲはなくなったかもしれない、プレーヤーとしての。
―それは、指導があったから?
近藤:指導が入ってからだよね。
―やっぱりそこがきっかけですか。
近藤:どっちが良かったかなんてわかんないけどさ。
―プレーしていた期間のうち、指導と重なっている時期の方が長い?
近藤:長いよね、今はもう。チームのためにプレーしようっていうのは増えたかもしれない。今までは、指導する前は、点取ればいいんでしょみたいな。それはそれでチームを勝たせる行動の一つだと思ってたから。
▶ 今、見据えるもの
紅白戦の休憩時間、子供たちのコミュニケーションを見守る
―ユウジさん結構、膝の怪我のイメージあるんですけど。
近藤:あー、してるかもしれない。
―何回くらい?
近藤:もう3回目じゃない?多分。手術したのは初だけど、3回くらい、内足やったりとかやっとったね。今回は全十字やっちゃったからあれだけど。捻挫もするしね、よく。
―正直、今回第一線でのプレーから退団を決意されたのは全十字の怪我は大きかったんですか?
近藤:いや、もともとアンダー18を立ち上げようと思っていたから。もともと今年、怪我したのなんでかと言ってたら、練習をやっぱ行けなくなってるんだよ結局。あと体、年齢。昔だったら騙せてたけどもう週1でトレーニングとかで動けなくなってきて、っていう風になってきて。だから今年の4月の時に退団しようって決めてたから。アンダー18も、だからタイミングだよね。今の子達が1期生で。
―ちょうどそのタイミングだったんですね。
近藤:そうそう。だから退団しようと思って。で、結果的に怪我しただけで。怪我で辞めることになって。だから決まってた、辞めることは。
―せっかく最後の年だから精一杯プレーほしかった。
近藤:まぁでも、うーん、満足はしてるよ。あと、自分の体が動かなくなっていくのもすごい嫌だったから。それは今年だけじゃなくて、もう2-3年くらい前から感じてたから。練習量が下がってきていて自分のプレーがすごい嫌だったから。だから、もしかしたらやりきったのはもっと前なのかもしれない。プレーヤ—として全力で。子供がいるっていうのもでかい。応援来てくれるから。すげーとか言ってくれるじゃん。それで続けてた部分もちょっとあるね。練習とかになるとさ、次の日にプレーのことを喋ったりしちゃうわけよ。もっと本当は自分のピークは過ぎてたから、練習量も下がってきたし。もう週1なんて絶対無理だから。週1週2で維持しようとするの。
―一番ハードにやってた時って週何くらいやってたんですか。
近藤:週2だよ。週2だけど、あいてる時間はフットサル球蹴ったりしてたから、調整の時間はたくさんあったから。でも今日とかみたいにさ、夜まで指導してさ、あのあとコーチとかとも喋ったりするの、今日の内容どうだったとか、誰々どんな感じだったとかやってると、子供の人数増えてきて事務作業も増えてきたから、なかなかトレーニングの時間が作れなくなってきちゃうよね、どうしても。チームは俺はもう今年で辞めるって知ってたと思う。だからみんな最後一緒に蹴りたかったって言ってくれたけど、まぁでもめっちゃ頑張ってくれたから、みんな。
―なるほど。
近藤:プレーの方も面白いけど指導が一番面白いんだよな。変わってきちゃったんだよどんどん。
―指導はなにが、一番おもしろいですか?
近藤:なにが面白いってさ、大人と違って、極端な話言っちゃうと次の日できたりするのよ、もう。
―特に子供はね。今日思いました、リーグで見たことある子がいて、変わったなと。背もでかくなってるし、スピードも速くなってるし、キレも。
近藤:それは嬉しいよね。
―戦術的なところも成長はすごい?
近藤:戦術はね、やっぱなかなか難しいかも知れない。何年もかかる。結局うちはさ、大きい声では言えないけどやっぱさ、身体能力とかの成績として通知表は5段階で評価したとしたら1の子もいるわけよ、正直言ったら。3の子もいるし4の子もいるけど、1の子はそれこそ跳び箱跳べないとか。でもその子の成長はさ跳び箱が2段跳べるようになったら成長なわけ。通知表5の子はさ、5段跳べてるかもしれないけどさ、ずっと5段しか跳べてなかったらさ、すごくはないじゃん。成長はしてないわけだから。そういう子たちの成長を見るのがめちゃくちゃ好きだね、俺はね。
―今、チームは小1から中3まで、今は中3が一番上でしたよね。どの辺が一番難しいし、一番楽しいですか。
近藤:一番フットサルとして楽しくなってくるのは中学生だからね。戦術が入れれるるようになるから、頭も付いてくるから。あとは体が大人になってきて、キック力がついてくるとさ、変わるよね、戦術のやり方というか。キック力が小学生レベルだとどうしてもないからさ、どうしてもドリブルとか運ぶとかメインになっちゃうけど、中学生はもう少し。だから高校生めちゃくちゃ楽しいじゃん。
―子どもの指導で、伝えたいことみたいなのってあるんですか、子供たちに。
近藤:うーん…技術をもちろん教えるんだけど、挨拶とか礼儀と片付けはめちゃくちゃ言う。フットサルを上手くなって欲しいけど、社会に出てる時間の方が長くなってくるわけ大人になったときに。その時に、フットサルうまいけど常識ないよねって子嫌じゃん。自分もそうだったから、だから、もっと早い段階で教えてあげれば、そういう挨拶とか礼儀とか。苦労しなくてもすむわけだし、大事だよやっぱり。礼儀とかそうだけど。
―今日みんな子供達結構挨拶してくれましたよ。
近藤:ほんとに?今日高学年で挨拶したか?って聞いたんだけど、してないって。でもそれも勉強だもんな。そういうことを言ってくれる人がいるとさ、うるさいなって思うやつも多分いると思うけど。その中で技術をどこのチームよりも上げている自信もあるから。
―ロボガトジュニアの子たちがおいおいトップのロボガトに昇ってってくれるのは描いてはいるんですか?
近藤:俺はトップにいかなくてもいいかなと思ってるけど。
―それはどういう意味ですか?
近藤:それだったらF目指してもいいかなって。トップ目指すならね。先にフットサルで目指すのであればトップリーグでしょと思ったりするけど。ただ今現状食べていけるかというと難しいところもある。だから、俺言ってるのは、アンダー18までは面倒見るから、その次はいい大学行きなって。フットサル部で1回考えてみなよと。F行くのか社会人になるのか。いい大学、自分が行きたい大学でフットサル部があるところ探して、資格取っちゃってもいいし、そこで知識を得て、色々考えてからの方がいいんじゃないかと。例えば同志社とかさ、関東とかもね、色々あるわけじゃん。立命館とかさ。
―多摩大も成績残してる。
近藤:施設とか見ても、すごく充実していい施設じゃん。これからどんどん増えてくと思うから、フットサル部っていうのは。フットサルやりたかったらいい大学行ってって。それこそ大学行きながらFリーガーになる可能性もあるわけだからさ。
―そうですよね、うん。
近藤:まぁ声を大にしてF行って頑張れとはね…でも行きたいって言う奴は応援する。行くんだったら頑張れよってその子に対してはもちろん行くなとは言わないし、頑張れよって言ってるけど。でも内心なんか大学でしっかりとフットサルのこと勉強して、社会のことを勉強してから決断してもいいかなと、内心はね。もちろん子供がFのピッチに立ったら応援行くけどね、それは。
―そんな嬉しいことはないですもんね、ユウジさん行きたかったところでもあるし。
近藤:余計嬉しいよね。でもやっぱフットサルとサッカーで天秤かける子もたくさんいるからさ。
―子供たちは両方やってるんですか?
近藤:9割サッカーやってる、入りはサッカーのためにって言って入ってくる。
―そもそもやっぱそこが入りなんですね。
近藤:最初そこなの。だってFリーグって何って感じだから。そこから教えなきゃいけないから。あ、そんなチームあるんだって感じだから。オーシャンズでギリギリ知ってるくらい。俺フットサルやりたいですって入ってくるのはほぼいない。入ってからハマる子はいるけどね。めちゃくちゃ面白いです、僕フットサルでFリーグ行きたいです、って。サッカー辞めますって子もいるし。親もそうだね。サッカーのために入れますって平気で言ってくるから、ある意味ちょっと失礼だけど。現状それでも受け入れて。そしたらちょっとさ、親も見る目変わって、フットサルって楽しいですねって感じる人もいるわけよ。そういうような広め方もいいのかな。
―そうですね。きっかけはなんでも。
近藤:そう、きっかけはなんでも、ハマってさえくれれば。
―今ユウジさん目標はあるんですか?やりたいこととか。
近藤:やりたいことって、あんまりまだおおやけにはしてないんだけど今、来年度のアンダー18がオープンリーグに入ってくのよ。アンダー18は4人、5人しかいないからリーグでれないじゃん。だからオープンリーグに俺も出て。それで初めて子供と一緒に本気で蹴れるっていうのは楽しみにしてるね。それは何年も前からずっと言ってたんだよ、ずっと。子供たちに。いつか一緒に蹴りたいって。
―へー、それが叶うわけですね。
近藤:あとはだからまだ、コレも復帰しなきゃあかんから、だから5月6月、県リーグ、1試合目は厳しいかもしれないけど。(※取材は3月末に実施)
―今、膝は予定では。
近藤:5月6月くらいに完全復帰。だからそれもあって、退団しようと思ってたんだよ。俺はだから選手兼監督として子供たちと一緒に蹴っていこうと思って。だから一番下からになっちゃうけど。そこまで思い描いていたから。
―ある意味もうその夢が目前に。
近藤:そうそうそう。まぁあとはね、大人の方を若干人数集めなきゃいけないけど、何人か声をかけて。情熱的なやつを入れようかなと思ってるけど。全日本であたるかもしれない、ロボガトと。勝ち進めば。
―それは楽しみですね。
近藤:すごい楽しみだよ。だって子供たちに走らされる可能性あるわけじゃん。
―コーチ走れ!コーチ決めろ!とかって。
近藤:でもいいよね、いいじゃん、楽しみなってきたよ。あの子たちが6年生の卒業するときに言ったんだ。コーチの1つの夢はあなたたちが大人になった時に一緒に蹴ることですって。いつか一緒に蹴りたいって、本気でって。だから選手のトップの方は後悔はしてないっていうか。まぁこっちやりたいなっていうのがあるから。
―それが結果的にロボガトトップへの道筋に繋がれば一番の貢献になりますもんね。
近藤:発展してってくれればいいと思ってるからね。うちのコーチたちも入ってるから。みんなコーチも一緒に蹴れる。
―コーチと生徒、子供たちとのチームで。
近藤:外部から何人か入れなあかんと思うけどね。コーチもそんな人数いないから。でも情熱的な人を入れたいと思ってるから。
―へー、楽しみです。
近藤:うん。すげぇ楽しみ。だからそっちも忙しくなるからね。どうしてもやれなかったね。
―オーバーヘットが見れますかね。
近藤:やれるかな、跳べるかな?
―あれを生で見せてあげてくださいよ、子供たちに。
近藤:そうだね、跳ぶ?跳べるかな?怪我しそうだもんな。でも、それこそあの子たちなんて1から教え込んでるからさ、結構育っていけば面白いのができると思っとるけどね。
自粛中で昔のプレーを載せている人に便乗。東海フットサルリーグにて。#前回はバイシクルで今回がオーバーヘッド#全てのディフェンス組織を無効化 pic.twitter.com/xAmqg55lwk
— 近藤友治 ROBOGATO10 (@yuji_toyota) April 4, 2020
公式戦で見せたオーバーヘッドキック。
本人のTwitterより参照
▶ 指導者 近藤友治
―指導の上でなんか参考にしているというか、勉強させてもらっている人とかいるんですか?
近藤:今まで教えてもらった人だよね。結局。
―一番影響を受けた人は誰ですか?
近藤:東海学園っていうサッカー部があるんだけど、そこの監督が今鶴田監督なんだけど、その人に中学校の時教えてもらってて、もとJリーガーなんだけど。その人はすごい影響受けてるね。めちゃくちゃ。その人に伸ばしてもらった、中学校の時。
―それはどういうところ、指導のどの点が素晴らしいんですか?
近藤:情熱的なのはもちろんなんだけど、細かい技術は教えてもらったね、ボールの蹴り方とか全部教えてもらった。ポゼッションのやり方とか、細かいこと本当に教えてもらった。後でも練習メニューなんか覚えてるかって言ったらそんな覚えてない。でもすごい良かったなって思ってるってことは、多分いい練習メニューだったし、人としても良かったと思う。
―なんか今日練習見てても実践的なことをすごく重視されてるように感じたんですけど、意識されてるんですか?
近藤:俺は重視してるね。コーンのドリブルとかもたまに、アップとしてやるけど、俺的にはあれはラダーだと思ってるからあれは、体動かす。結構俺の指導は実践系が多いね。
―実践系。重視してる印象がありましたね、今日見ていて。
近藤:練習の練習にはならないようには。試合だったらどうなのっていうのはよう言うと思う。
―状況判断とかも求めているし、っていう印象でしたね。ちょっと面白かったのが、時々敬語を使うじゃないですか子供たちに。あれはなにか目的あるんですか。「してくださいー!」みたいな。
近藤:あれもさ、いつも同じ口調だと慣れちゃうから、多分変えてるんだよね自分の中で。
―逆に自分とか子供たちに緊張感持たせるためみたいな。
近藤:そうそうそう。やっぱ言われるのにおんなじ口調だと慣れるじゃん、人って。ずっと怒られててもいつか慣れるじゃん。例えば怒られてても。いきなりその人が優しくなったり敬語になったりさ。そうすると聞くじゃん、中西君も気になるじゃん。怒ることもあるし、なかには。
―なるほど!
近藤:結局練習メニューってさ、どこもあんまり変わらない部分てあると思うんだよ正直。パクろうと思ったらいくらでもパクれるし、みんな参考にしてると思うんだけど。伝え方だと思ってるから。
―そういうところで子供たちに集中力なり緊張感なりを持ってもらおうと。
近藤:それはあるかもしれない。
―子供たちはどういう関係になりたいとかあるんですか。理想像みたいな。
近藤:うーん、でもやっぱりコーチと子供って関係は崩さないかなと思うけど、俺は。友達ではないと思ってるから。
—B級(JFA公認フットサルB級コーチ)いつくらいに取られたんですか?
近藤:2年たったのかな。めちゃくちゃ勉強になったよ。全日本終わった次の日だったもんね。Fの人たちが昨日まで全日本戦ってましたみたいな。あの人たちってさ、意識高いんだよね、フットサルに対する。かける思いが今の子達と全然違う。
―具体的にどういうことですか。
近藤:フットサルに対する思い。すごいなと思ったのは、フットサルがFリーグになる前からあの人たちはずっとやってきて引っ張ってきたんだよ。だけど、その同期になってご飯とか食べたりするときに、カップラーメン十何年ぶりだわとか。ようはフットサルにかけてるから食事とかもすごい管理して。俺カップラーメン何年ぶりだろう、十何年ぶりだーみたいなとか言ったりとかして。それってさ、ほんとにトップオブトップの人たちがやるような動きで、フットサルでそういうことやってる人っていたんだと思って。そういう風にフットサルにかけて。何もない時から。ああいう人たちが引っ張ってくれてたんだなって感じた。俺はちょっと途中から入っちゃってるからさ。今のまだ若い子達ってそういうふうにかけてる子って何人いるのと。Fリーガーになってすごいわけじゃないんだよ。Fリーガーになって何をしたのかとか、なにを突き詰めたっていう風なのがない。
―そういうことですね。
近藤:この人たち本当にフットサルの発展のために日本代表として戦ってきたんだなって思ってすげぇリスペクトした、ああいう人たちを。俺も頑張らなあかんなった。本当に思った、めちゃくちゃ。三浦知良がFリーグに入ってきたときにあの人たちが大量に入ったわけよ。あの人たちストイックだったよね、俺も負けちゃ行かんなと思ったとか言ったりしてたからさ。
▶ フットサル、フットボールから学ぶ
―ロボガト自体はどうなって欲しいですか。子供たちもトップも。
近藤:トップはどうなっていくかな。今のまま地域でトップを走り続けてくれたら一番いいけどね。それが県リーグとか下の方に落ちるんじゃなくて、愛知県はロボガトだよって言ってくれる、関東とか関西とか全国的には広がったと思ってるから、ロボガトって名前は。
―間違いないですね。
近藤:ありがたいことに。そのまま残っていけたらいいなと。解散するのが一番悲しいなと思うよね、正直。時代の流れもあるけど。
―そのためには子供、ジュニアの方が力付いてくれるといいんですね。
近藤:それが間に合うかどうかも、間に合えばいいけど間に合わなかったら危ないよね。ギリギリだよね、3年くらいは掛かると思うから。3年くらいは踏ん張ってもらって、そしたら俺が上を見てもいいし。
―ロボガトならきっと大丈夫ですよ。
近藤:そうなって欲しいけどね。うちはでも後ろ盾がないのはきついね。コートがないから。ユニアオ(Futsal Clube UNIAO)とかはだからすごいなって思う。全部一貫して出来ちゃってるから、コートもあって。参考にするもんね、あそこまで行ったらいなって。すごいいいチームだと思う。大地(佐藤大地:Futsal Clube UNIAOコーチ)もB級の同期だからさ。一緒にやっとって。
―結構昔から知り合いなんですか?
近藤:リーグ始めてからじゃない?フットサル入ってから俺が。今だからめっちゃ仲いいもんね。あいつも癖あるからさ、癖のかたまり。でも指導者癖があるやつしかいないからさ。みんな独立した考え持ってるからさ。
―自分を曲げない。
近藤:絶対に自分を曲げない人が多い。
―ユウジさん自分で自分のことどんな指導者でありたいって思ってるんですか?
近藤:まぁメリハリがあるかどうか。遊ぶときはめちゃくちゃ子供と一緒に遊ぶけど、やるときは俺スイッチ切り替えちゃうから。遊ぶときは、子供にも言うけど、遊ぶときは全力で遊べって言うし、そのときは俺も一緒にめちゃくちゃ遊ぶけど、指導始まると俺もスイッチ入っちゃうから。時間を無駄にするなっていって。ま、言うのよ。だから子供とかよく飯食いに行ったりするもんね。練習試合とか、俺送迎もしてるからさ、ハイエース乗ってて、帰りご飯食べに行こう、みんなでって言って。飯食いに行ったりして。そういう時間めっちゃ面白い。そういう時間はさ、彼女おんのとかさ、聞いたりとかさ。彼女できたら教えろよって喋ったりするけど。なんか、コーチだけど、フットサルのコーチだけど人生で何かあったら相談してきてほしいなとは思ってる。
―指導って、フットサルだけを教えることもできるし、そうじゃないことも教えることもできるし、先生とはまた違うけどどうとでもなれるじゃないですか。そこって指導者は面白いんだろうなって客観的に見て思いますね。
近藤:だからめちゃくちゃ勝ちにこだわるチームもあるしさ、やっぱり。それこそエンジョイで勝ち負けもこだわらずにってチームもあるし、それはそれでいいと思うし。俺は勝つことで楽しいことも絶対あると思うから、そこは貪欲に行きたいなって部分もあるけど、みんなで楽しくやりたいなって部分もあるし、結構俺は欲張りかも知れない。
―どっちも大事ですよね。
近藤:やるからには勝ちたいなって思うし。
―その指導でも周りに相談とかするんですか?
近藤:するね、大地には結構するね。一番話しやすいね。あんまり俺人に聞かないんだけど、大地には聞いたりするね。これどうやってやってるの、って。大地も聞いてくるしね。
―具体的にどんな悩みですか?
近藤:いつから始めるのかとか。例えば戦術だったりとか、どの段階から。答えがないわけだよ、どの学年からいいって。でも参考にはなると思ってるから、ほかのチームがやってることは。戦術っていつからいく?とか。もしかしたら自分が間違ってる可能性もあるから摺り寄せて噛み砕いてさ、聞いて。俺的にはその学年で変えたほうがいいんじゃないのかなって大地とかとしゃべったりするけど。まぁでも多分決めてる方がいいことも多分あると思うから、難しいなっていっていつも喋ってる。難しいことやりすぎるとつまんないってなっちゃうし、でも簡単すぎると飽きちゃうし。何だお前らっていうのもやっぱある、子供は。学校で嫌なことあったら日によっては乗り気じゃないとか。親に怒られて泣きながら来るとかもあるしさ。ある意味ほんと毎日、毎年面白い。ある程度自分自身が立ち上げて自信もついてきたけど、いきなり心おられる時もあるし、全然ちがうなー、子供わかんないなーって思うときもやっぱりある。
―なるほど。その分、楽しみとも。
近藤:楽しいんだよそこがやっぱり。俺機械的な作業があんまり好きじゃないからさ。対人はすごい好きなんだよね、子供に関しては特に。だからそこで保護者も入ってきちゃうからさ。あそこはちょっとね、意識変えていかないと難しいよ。
―かと言って親だけに気を遣ってたら子供たちぁが楽しくないし。
近藤:そうそうそう。だからブログやってるのもさ、俺もアメブロやってるんだけど、あれも保護者に対して発信してる。俺はこういう考え方ですよっていうのを保護者は全部見てるから。このコーチこういう考え方なんだっていうのをちょっとずつでもわかってもらえたら共感できる人が残る。もちろん(保護者は)すごいいい人もいて応援してくれる、全部任せますって人もいるけど、親はやっぱ自分の子供が一番可愛いからどうしてもそうなっちゃうのもわかる、気持ちとしては。
―なるほど。客観的に感じるのは、トップでのプレーヤーの時もそうですけど、ロボガトってものを通じてユウジさん自身が楽しんでるし、成長してる実感を持たれてる。
近藤:マジで成長したよ、めちゃくちゃ学んだね。フットサル、フットボールから全部学んだから、ほんとに全てを。だから子供にはそういうフットサルやってほしいなと思ってるよね。そこから全部学べるから、社会の、例えば上下関係から、挨拶礼儀もそうだけど、人付き合いも、全部学べるから。人生の縮図じゃんこんなん。
ROBOGATO Jr Futsal Clubからロボガトの未来を支えている近藤友治さん。
これからもROBOGATO、フットサルとともに成長を続けていくことだろう。
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